景気浮揚の奥の手は「補正予算1%のSOHO投資」と
「サイバー政府」の創設だ!


未来の教科書で「ノーパンしゃぶしゃぶ大蔵省」の下りがどう書かれるか知らないが、世紀末のニッポン崩壊のドラマのなかで、SOHOによる次世代への社会再構築への動きもちゃんとあったことを伝えるために、2つのプランを提案したい。

ひとつは過去最大規模の16兆円補正の目玉とされる各省マルティメディア関連要求予算を、批判の多い光ファイバー「ハコモノ」投資などでなく「SOHO創造型消費」のためにSOHO事業者へ直接投資させる案だ。今回の補正の本命である郵政の光敷設を巡って、大蔵省や通産省など他の省庁がバトルを演じているさなか訪問した霞ヶ関で、「SOHOは政府に何を望むか?」という問いに対して僕らはこう提案した。

「学校や田舎に光ファイバーを引くのもいい。でも、Eメールすら利用しない市民にギガバイト級の回線を提供するよりも先にすることがあるでしょう...」
*この論は翌日、朝日新聞論説委員も指摘していた

つまり、大不況下の連鎖型企業倒産の末端で「倒産したくても手形すら切れないで、ただ姿を消していくSOHOは、通常でも高額のデジタル投資に身銭を切り、融資もないので高額のリース料に苦しんでいる。それでも市場のデジタル革命の主役として、高い回線料やソフト使用料を支払い創造型消費を維持している。彼らが市場からいなくなるとき、本当の恐慌が始まるのではないですか...?」

テレワークセンターのような「ハコモノ」一辺倒の政策しか持たないように見える政府にとっては、SOHOのかかえる問題の解決は容易ではない。ひとつの省庁で抱えられるテーマとしては複雑で大きすぎる。でも、だからこそこう言いたいのだ。

「今はチャンスなのです。わかりずらい減税ではなく、例えば10人以下のSOHOでデジタル設備投資を希望する16万社に100万円の事業資金援助をしても、たかだか1600億円じゃないですか。補正のわずか1%でどれほどの関係業界が救われるか」あるいは「もっと有効なのは、100万社SOHOにデジキャッシュ100万円を投資すれば、世界にさきがけ日本発の1兆円EC市場が登場する。電子貨幣は使わなければ存在しないから、あるゆる面から一石何丁もの効果がある!」

さらに調子ずいた我々は、一心不乱にメモを取る将来の「サイバー政府」関係者(各省有志の準備会議もあるらしい)にだめ押しの提案をした。「インターネット1000万人時代に、どこに窓口があるのかすら(政府側も)分からない政府機能は役に立たない。ヤフーGOO等の検索エンジンにでてくる政府・公的サービスリストに『サイバー政府』のタイトルをつければ、その時から『サイバー政府』は創設されたことになる。ユーザー(市民)とそのエージェント(政府)が、いつでも相互確認できる気持ちいい関係こそが、現在の無政府状態からのひとつの出口ですよ!」

テーブルは開かれたばかりだが、この流れは果たして大きな物語に発展できるのだろうか?
SOHO読者の声も聴きたい。

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*SOHOvs政府交渉のテーブル協議に協力できる方ご連絡下さい。
*上記のような主旨の記事をマスコミにアテンド(掲載調整)できるかた、ご連絡下さい。
*各主要政党にパイプのあるかた、同様に資料をご提供します。


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●河西保夫(プランニングプロデューサー・SOHOギルド事務局代表)
「月刊SOHOコンピューティング」98年6月号原稿よ


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