SOHOという名の電子遊牧民たち
時と場所に制限されない新しいワークスタイルをもつ、世紀末の電子遊牧民たちが増殖している。
彼らの名はSOHO(ソーホー)。
文字どうりNYのアーチストたちの街であるSOHOのように、そのイメージは自由本奔放で捉えどころがない。
個人のワークスタイルを自分自身の手でコントロールし、都合のいいときだけ自宅や仲間との共同オフィスで、ハリウッドの映画制作会社のように、デジタルなタスクチームをつくり仕事をする。
生活を楽しみ、仕事を愛し熱中するあまりに、彼ら自身が生み出してきた効率的なネットワーク組織の原型がそこにある。21世紀への出口がそろそろ見えてきたようだ。
*SOHO(ソーホー):Small Office / Home Office workers の略称。
大企業のテレワーカー、小規模事業者及び個人事業者、在宅ワーカーを指す。
米国では8000万人 規模。日本でも600万社以上存在する。
その中核は、企画・クリエイティブ業務を行 う情報&サービス型の専門的・技術的職業従事者たちである。(解説/キャプション)
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仕事の常識を変えるSOHOワークスタイル!
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最近、急速に先進国でSOHOというキーワードが浮上してきたのには、
背景がある。
90年代に入り、大組織で始まった「組織のフラット化」、「年 俸制の導入」、「アウトソーシング」、「ホワイトカラーの生産性向上」をテーマに した様々な改革。
簡単に言えばホワイトカラーのプロフェッショナル化であり、「組織からの自 律化、独立」である。
さらに地球レベルでのデジタル革命・インターネットに象徴されるネットワーク化が、個人でも自立した仕事を遂行できる仮想社会をSOHOに提供した。
巨大ビルのオフィスに通勤するのではなく、「フレックスタイム&プレイス」で仕事をするサラリーマンのSOHO化から、女性在宅ワーカーの社会進出。
子供たちまでPHSやモバイルで情報武装し、気分次第の「気まぐれ消費市場」を揺り動かしている。
SOHOとは、そんな素早く抜け目ない社会の変化に適応するための進化したワークスタイルであり、今までの仕事や生活観の常識を変える世界同時進行の「意識革命」なのだ。
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●河西保夫(プランニングプロデューサー・SOHOギルド事務局代表)
日立MPEG カメラ「SOHOスタイルブック」98年 より