SOHOはいま、燃えすぎてもめている?
「テレワーカー」「マイクロビジネス」「在宅ワーク」
...なんでもござれ
3年目のSOHOブームってありか?
燃えてるか〜い?いや、もめてます..(T-T)
年末から新春にかけて、またぞろSOH O関連のマスコミ勘違い報道や関係者の会合が頻繁におこなわれているSOHO界。ブー ムも3年を迎えれば、そろそろ落ち着くべきところにおちついてもよさそうなものだ が、SOHOにはそれがない。
SOHOの横断的統一組織なり、統一的定義なりがあれば、今年も続きそうなSOHOへの 貸し渋り、新規開業率を上回る廃業率の上昇を少しでも押さえる公的対策や民間資本 (企業サポーター)による健全なSOHO市場形成がもっと早まることは間違いない。
ちなみにSOHOは、いま一体、ど〜なっているのか?以下、僕なりに感じている問題 点を列挙してみたい。
●1)お上(政府)や学者によるSOHO定義が存在しない。よって、監督官庁もないの で、自由競争の市場原理からみんなが勝手にSOHOというキーワードを解釈するので、 その市場性、公的支援の方向性がバラバラ。混乱の極み...
例えば、郵政省では「テレワーカー」といい、通産省「マイクロビジネス」労働省 「在宅ワーク」国土、建設省「サテライト住宅・電脳化オフィス」と同じSOHOを政府 内でバラバラの呼称で区分し、縄張りを形成しつつある。なんといっても情報の共有 がないのでいつまでも「SOHOはよくわからん、実態がみえない」という組織人の発言 になり、社会のルールを決定する場にSOHOがなかなか参加できない。(実態がないの なら誰が商品を買って税金を払っているのか。実態が理解できなくてもSOHOはリアル に存在している、当たり前だ)
●2)SOHO側の民意が低く自覚がない。さらに軍資金も時間も人材もいない。確かにS OHOは自由なワークスタイルを標榜する者であるが、従来のように「SOHOは自由なん だから統一組織は必要ない」というスタンスのままでは、すでに社会問題にすらなっ ている「SOHOマルチネット被害事件」等への対応ができないばかりか、市場ターゲッ トとして一方的に参入してくる大企業系SOHOビジネスの疑似系列化現象が進むだけで 、決して本来の意味でのSOHO社会の建設とは程遠いものになってしまうだろう。
●3)以上のような傾向から、世間ではSOHOのことをどうイメージしているか、現実 とのギャップもひどい。例えば、あるメディアではSOHOネットワーク組織を”ユニオ ン”としてとらえていた。事業者なんだから労働組合ではなく、アソシエーションで しょうと指摘したらギルドは取材対象から外された(笑)別の有名な媒体では「SOHO 実態調査報告・在宅女性/副業が半数で年収100万円以下が84%」というトンデモレ ポートをだして、紙面上は僕がその解説をしている形の編集という、なんじゃこりゃ 〜(優作絶叫調)状態で訳が分からない。そんな単にSOHOというキーワードに反応し ただけの自主参加型調査でSOHOを語っていいのか〜というマーケテイングの原則無視 もいいところ。
方々でみんな勝手に「第一回SOHOリーダズ会議」とか「第一回SOHO***」とかや ってるし、第一回というからには第二回はあるんだろうな!とツッコミたいが、疲れ るのでなんかどうでもよくなってきた。SOHOブームも3年目を迎え、年収100万円以下 のSOHOの方達大変だろうが年商1億円以上のSOHOも首をくくったりで忙しいのですよ。
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●河西保夫(プランニングプロデューサー・SOHOギルド事務局代表)
「月刊SOHOコンピューティング」99年2月号原稿より
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